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12/1 

歯が痛い。歯が痛くて床を転げまわる毎日。うずたかく積まれた漫画やDVDROMの塔は今創世主によって破壊される。ばらばらと頭上から降り注ぐ自らの煩悩に苦しむ創世主。わああ。お前たち、何故私に歯向かうか。何を求めるか。話が逸れた。歯が痛い。いや、痛くなどない。痛いなどと思うから痛い。この程度で痛いなどと。オーケイ、オーケイ。痛くなどない、痛くなどない。ここで落ちたら委託などない。俺はこうやって長い間自分を欺いてきた。右側中心で噛む生活。先人たちだってそうしてきた。しかしそれは、本当に正しいことなのだろうか……。俺の思考はそれ以上発展することはなかった。痛みのノイズ。俺を襲う。俺は叫ぶ。おうおうおう痛いよう痛いよう。しかしこの痛みは急に発現したものではない。そう、俺はこの痛みと付き合ってきた。だから分かる。この痛みは消えないものではない。他のより重要なことに思考を向ければ歯痛など些事なのである。5年後の自分の姿など想像すればよろしい。げえ。げえええ。それ、急激に催した嘔吐感と引き換えに、歯痛が治まってきたではないか。歯などいつまでも痛くてもかまわない。しかし長い間将来のヴィジョンに目を向けると、精神が犯される可能性がある。今のうちに食事をとるとする。龍田弁当である。れろ、れろれろれろ。あむっ、あむあむ。もぐ、もぐ。がり、がりがりがり。がりがりがりひい。痛い。ひい。痛いのれす。痛いのれすう。もうだめだ。もうだめだ。もう痛みのたびに歯茎を吸い、鉄の味を感じながら、手取り6桁いけるかどうか考えるのはいやです。いやだめじゃない。まだだめじゃない。そんなにヒトは、弱くない。俺はまだ戦える。誓ったはずだ。俺が歯の治療をするときは、それは心から愛するひとができたときだと……。治療費を、そのひとに貰うのだと……。

それから4分後、俺は歯科にいた。涙が出るほどリアルな光景がそこにあった。すみません、予約してないんですけど大丈夫ですか。大丈夫だった。最近出来たばかりだから患者の受け入れが広いのであろう。通された治療室には、パソコンが置いてあり、自分の歯のようすが映るようであった。すごい。ちょっとこれ最新設備じゃないの。俺ははしゃいだ。重さを感知し、紙コップに水を注ぐ量を調節する機械に感動して、俺ははしゃいだ。予想通り化粧の濃い女医さんが目の前を通り、俺ははしゃいだ。根本の洗浄をします。院長らしき担当のひとはそう言った。俺は何度か通わなければならないと察した。隣のブースではちいさい子が治療を受けているようだった。声から察するに、お母さん立会いの元、女医さんの治療を受けているようだ。痛かった、ごめんねえ。などという女医さんの声が聞こえる。よう、少年、痛いよな。お互いこんなところ二度と来ないようにしようぜ。一方的な交信を送っていると、また女医さんの声が聞こえてきた。はい、薬塗りますね。これ、おいしい味がするでしょー。え、なに? おいしい味とは? 女医さんの声が、俺の歯を削るドリルの音に混じって聞こえてくる。期待を裏切らない味なんですよー。期待を裏切らない味ってなんだ……? しばらくして、俺にも薬を塗られる機会が訪れた。はい、薬を塗りますよ。この薬で、綿を固めます。わくわく。期待を裏切らない味を体験できる。俺はその味を想像する……。おそらく甘露……天上の美女達の給仕……。俺の股間がのっぴきならない状況になるその前に、先生の言葉は俺を現実に引き戻した。ちょっとへんな味がして、しみますよ。うそぉ。いやだよう。変な味のはいやだよう。ぬりぬり。まずいのはいやだよう。まずいのはいやだよう。俺も女医さんに期待を裏切らない味の薬で治療して欲しいよう。ぬりぬりぬり。うわぁ苦いよう苦いよう。一刻も早くうがいがしたい。舌が震えた。水を求めていた。はい、口をゆすいでくださいね。その一言は福音に感じられた。ウォーター! 天上の喜びであった。これが……これが期待を裏切らない味……?
[ 2007/12/03 04:52 ] 日記 | CM(0)
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